多くのことを中途半端に知るよりは何も知らないほうがいい。

双子育児。世相。飯。野球。おじさん。

おじさんとして生きる⑬~おじさんよ!永遠に…

連載をしてきました「おじさんとして生きる」も最終節となりました。いかがでしたか?

この連載を通して、おじさんという存在を少しでもご理解いただけたなら幸いです。

おじさん界のオーソリティーとして活動をしている私のもとには日々、全国のおじさんからの相談がきます。それについての回答をもって最終節に代えさせてください。

では、スタート。

Q:若者に「おじさん」と呼ばれると腹が立ちます。自分がおじさんだという自覚はあるのですが腹が立ちます。私は修行が足りないのでしょうか?

A:その若者が「見たまま」を口に出していることに腹が立っているのです。私の義理の祖母は車に乗っていると見たままを口にするという謎の症状を発症するのですが、正直、私はそれに腹が立っています。「あ、信号赤よ」「人が歩いてる」「自転車がいるわ」など車にのっている間中、言っておられます。腹が立ちます。猛烈にイラつきますよ、正直。ただ…それを私が指摘しても「見たまま」口に出しているという意味では祖母と同じ穴の狢です。「見たままをいう工夫のない可愛そうな若者だな」と納得し瓶ビールを飲んでればいいんです。

Q:自分も若者より経験があります。その経験を若者に伝えて少しでも役に立ちたい思いがあります。しかし若者に説教だ…昔話だ…とうざがられるのではないかと心配です。うざがらないで伝える方法はないでしょうか?

A:うざがられないで伝える方法はないですね。発見されていればノーベル賞を受賞しているはずです。「うざがられてもいい!と割り切って伝える」か「うざがられるのは嫌だから止めて瓶ビールを飲む」の二拓です。後者をおすすめします。

Q:若者の車離れについてどう思いますか?

A:私も車に乗りません。免許は一応所有していますが、ツタヤでカードを作るのに便利というのと原付に乗るぐらいにしか活用したことがないです。そもそも私の場合は車の運転が性格的に向かないのです。正確には車の「運転ができない」のです。その点については関係各所にご迷惑をかけています。すみません。
若者の車離れ…ですか。おじさんが車を楽しんでないからじゃないですか?なんとなく小金があるので外車にのったり、家族がいるからミニバンみたいな車選びをしてるおじさんを若者が見ていて「あ、車たのしくない」と思ってるんです。どうか赤いスープラかゴールドメタリックのレパードに乗って車ライフを楽しんでください。「あのおじさん見てると、車って楽しそうだな」と若者がなれば車を買う若者は増えます。ちなみに車の運転をしないと旅先のそば屋でいつでも瓶ビールが飲めます。車乗らないおじさんの唯一のメリットです。

Q:子どもがユーチューバーになりたい!と言っています。止める方法を教えてください。

A:「そんなんで食えるか!」「サラリーマンになれ!」「店を継げ!」などの止め方はダメですね。「俺はこんなちっぽけな定食屋で終わりたくねえんだよ!」と子どもが家を飛び出してしまいます。数年後には風俗店の看板を持って歩く仕事になり道に座り込んでタバコをふかすことになります。
そうですね…「じゃ、俺もやる」と言って、実際に動画を投稿してみたらいいんじゃないでしょうか?「会社にローラースケートでいってみた」「夜中の3時に上司に電話してみた」「プロ野球チップス10万円分買ってみた」って感じのヤツ。それを見て子どもがどう思うか?ってことじゃないですかね…。案外「おじさんユーチューバー」として成功するかもしれませんし…。あとは瓶ビール飲みながら「ふーん」って言うか…だと思います。ま、そこまで止めることでもないんじゃないですか?

Q:銀行に記帳台に置いている老眼鏡を戯れでかけてみたらクッキリ見えました。老眼でしょうか?

A:その現象は私にも起こっているのですが、自分で老眼鏡を買うまでは老眼ではないと思っています。キリンの瓶ビールのラベルの「キ」「リ」「ン」探しもできてますし。買うんだとすれば高木美保みたいにチェーンがついたやつにしたら面白いと思います。

Q:おじさんになると胸派からお尻派になる…といわれていて信じていたのですが、いまだに胸派です。どうしてでしょうか?

A:私の親父が女子バレーボールチームの応援をしているのですが「背が高いから」だそうです。私が背が高い女性が好きなのは完全に親父からの遺伝です。このように経年よりも遺伝的要素が強いことが実証されています。お尻派になったと主張する人は若い頃は周りに流されて胸派を気取っていただけで、そもそもお尻派だった…と考えています。この手の話題はおじさん界では非常に瓶ビールが旨くなる話題として重宝するので、周りのおじさんと議論してください。

Q:おじさんになると演歌を聴くと思っていたのですが…聴きません。先輩おじさんたちはいつから演歌を聴いているのでしょうか?

A:富士そばで瓶ビールを飲んでいると心の隙間に演歌が入り込んだ…その瞬間から演歌を聴いています。

みなさんも何かに悩まれたら悩み相談DYIで解決すると他人に迷惑もかけませんしいいですよ。

それでは…。

おじさんとして生きる⑫~おじさんと恋愛

おじさんとモテについては論じましたが、おじさんとはそもそもどういう恋愛をするのでしょうか?

既婚、独身、バツつき、不倫…と色々なパターンのおじさんがそれぞれ恋愛をしています。
それぞれについて解説していこうか…とも思いましたが「おじさんって大差ない」んで、まとめてその傾向について解説します。

まず、おじさんはさみしがり屋になります。20代のさみしがり指数が10とすると、30代は12、40代は16、50代だと24ぐらいのさみしがり指数を出してきます。つまり、20代の2.4倍50代はさみしがりなのです。

おじさんになるにつれて、なにかしら隙間が出てくるんですね。よくいうと余裕…とも言えます。若いころのように、ギリギリ、ピチピチ、ガチガチで生きなくなって隙間ができるんです。で、そこがさみしい。そこを埋めたい。ある人は仕事で、ある人は趣味で、ある人は酒で…埋める。その一つとして結婚相手、交際相手、不倫相手で隙間を埋めるという行動も起こります。

また、おじさんになると仕事や趣味で隙間を埋めていても、体力の衰えから集中力が続かず、それ以外のこともしなくてはならなくなります。そこで仕事が忙しい時ほどランチビールを飲む。若いころは滑ることだけに集中してたのにスキー場の近くにある美味しい蕎麦屋にいく。という行動をとるのです。これらは体力の衰えから集中力が落ちてやる行動です。また「休日長時間寝る」体力もなくなります。若いころは夕方まで平気で寝てたのに休日も朝の7、8時には目が覚めます。よって土曜日の昼などに隙間ができてしまうのです。その隙間をパートナーと埋めたい…とさみしがりの虫が疼きます。

「休日に旦那がどこか行こうといってくる」「40代になってから旦那が買い物についてくると言いだすようになった」「おじさんと付き合ったら思いの他束縛される」などいう女性からの声を聞いたことはないでしょうか?すべて隙間がさみしいからです。

そして、おじさんはパートナーと手をつなぐようになります。
チャーミーグリーンを使っているから…ではありません。

前に「おじさんは人に合わせるのが苦手」というお話をしましたが、おじさんは「歩くペースを人に合わせる」が上手にできません。
そのためパートナーと手を組んだり、手をつないだりして、強制的に歩くペースを合わせるという方法をとっています。
前時代までのおじさんは自分のペースで歩いて、パートナーが後を歩いて合わせるという方法で歩くペースを合わせていました。しかし今のご時世それは許されません。そこで編み出されたのが手をつなぐという方法です。手綱をパートナーに渡している状態であると言えます。
「年をとって、また手をつなぐようになった…」などとほっこり気分のおじさんもいますが、なんのことはありません。上手く歩けないので、パートナーに引っ張ってもらってるだけなのです。無意識でやっているので、ほっこり気分な発言も出るのでしょうね。

また、おじさんの恋愛は色々なことがうやむやになります。

おじさんは長い人生の中で「人と人と…とくに異性とは分かりあえない」ということだけは学んでいます。そのため若い頃のように恋愛相手に全力でぶつかって傷つけあいながらでもお互いを理解し合うような行動に出ません。また好きなこと以外に対して興味がなくなり、どうでもよくなってます。主張するのも対立するのも面倒になるのです。「ま…君がいいなら、いいよ」とか「うん…どっちでもいいよ」みたいな曖昧なリアクションを多様するようになります。おじさんの中には「はっきりしない!」と女性から何度も怒られて学び、女性の顔色を見ながら「どっちで…いや!こっちだよ!こっち!」という場当たり的なテクニックを獲得する方もいらっしゃいます。

おじさんは結婚に対してもうやむやにする傾向があります。

おじさんは両親も後期高齢者だったり、また分かれた前妻との子どもが私学に入る…といった状況で、なかなか勢いで結婚を決めきれない状況に追い込まれています。そこで大半のおじさんがうやむやで時間を稼ぐ作戦に出てます。白黒つけてすっぱり別れる…は、おじさんには難しいです。先に述べた通りさみしいのでできないのです。うやむやが長く続くわけがない…おじさんだって分かっていますが「このままじゃダメかな?」と悲しい目をするしかなくなるまで追い込まれるてもうやむやさせます。

不倫をしているおじさんもうやむやしか狙っていません。不倫相手に「子どもが大学に入ったら必ず離婚する」などと勢いで期限をきってしまっても「期限が近付けばさらに新しい期限を提示してうやむやにしよう!」と高をくくっています。目を覚ましましょう。

しかし、うやむやは決して悪いことではないのです。みなさんは『失楽園』という映画を観たことがありますか?あれは鴨とクレソンだけしか入ってない白黒はっきりした鍋を好むようなおじさんはうやむやが苦手で結果、自殺に追い込まれる…という教訓を与えてくれました。うやむやも大事なんです。

そしておじさんの恋愛で一番大事な要素…それは体調です。

おじさんは体調に支配されているのです。あらゆるアクティビティーが体調次第になります。「せっかくの旅行なのに…」ということも多くなってしまいます。
食事も体調に相談しないと…なのです。肉が全然入らない日があるのがおじさんです。体調の悪いおじさんは酢の物を好みます。楽しそうにしているが、よく観察するとずくしか食べていない…のであれば、おじさんは無理をしています。察してあげましょう。

また持病を抱えたおじさんも少なくありません。
稀に若ぶって女性の前では持病の薬を飲まないおじさんがいますが、あれは非常に危険です。必ず薬は飲むようにしましょう。
女性からしてもかっこつけて薬飲まなかった挙句、急に倒れられても迷惑なだけです。

交際相手に自分の持病、飲む薬の種類と時間などを説明しておくこともおじさんとして必要な行動です。
また小型のジプロックに飲む時間帯によって、薬を別けておくと、飲み忘れを防げます。
女性の自宅で薬を飲むときは「白湯」を女性にお願いすることでなんだか二人の距離がぐっと縮まった気がします。

ではまとめます。

①おじさんはさみしがり屋
②おじさんは手をつなぐ
③おじさんはうやむやにする
④おじさんは体調に支配されている

以上が、おじさんの恋愛の特筆すべき傾向です。何かのご参考になれば幸いです。

おじさんとして生きる⑪~おじさんとおばさん

今までずっとおじさんについてお話してきました。
みなさんの中には「おじさんについては分かってきたけど、女性はどうなんだ?…おばさんはどうなんだ?」こう疑問に思われている方もいらっしゃることと思います。

まず、最初に衝撃的な事実から申し上げる必要があります。

おじさんは女性でもなれる…です。

ジェンダーフリーの世の中、女性だから、男性だから…という垣根は忘れましょう。
おじさんになる女性も多数いらっしゃいます。生物学的な性別という概念と「おじさん」は必ずしも一致しません。

よく板東英二にそっくりな女性がいらっしゃいます。
「おじさんかな?おばさんかな?」と不思議に思ってしまうかも知れませんが坂東英二にそっくりなご本人が「自分はおじさん」と思っていれば女性であってもおじさんですし「自分はおばさん」と思っていればおばさんです。男か?女か?は大きな問題ではないのです。

⑨節を思い出してださい。
おじさんは自覚し、納得しればおじさんなのです。または周りがおじさんだと思えばおじさんなのです。そこに性別は関係ありません。

ただし私の調査ではおじさんの99%が生物学的に男性です。また、おばさんの92%が生物学的に女性です。圧倒的に男性はおじさんに女性はおばさんになります。

あれ?と思われた方、まったく不思議なデータではありませんよ。「おばさん化している男性」の方が「おじさん化している女性」より多いという事実は経験則として違和感がないはずです。女性のおばさんたちの集団の中に何故だか一人だけ混じっている男性をカルチャースクールや観光地などで見かけると思いますが、あれが「おばさん化している男性」です。珍しくはありますが、全国で一年中見ることができますので、みなさんも一度や二度は見かけられたことがあるでしょう。

さて、おばさんについて、その特徴は主に3つです。

①おばさんは興味の幅が広がる。
この連載の初期の節で「おじさんは興味の幅が狭まる」という話をしましたが、おばさんには真逆の傾向が見られます。おばさんは興味の幅が広がります。
おばさんになって突然、歌舞伎に目覚める、アクセサリー作りを始める、ビーズ細工を始める、ヨガ始める、ダンス始める…など枚挙にいとまがないとはこのことです。みんさんの周りにもそういうおばさんが一人や二人必ずいると思います。おばさんは未知の世界に飛び込んでいきます。

②おばさんは新しいものが好き。
おじさんはパンケーキ屋に並ばない…といいましたが、おばさんはガンガンに並びます。ものすごく楽しそうに並んでいます。
もちろんポップコーンにも並びますし、話題のスイーツにも並びます。また、おばさんネットワークの中で新しいものの情報を積極的に流通させています。
若いイケメン俳優や、アイドルなどに詳しいおばさんも多いです。その点おじさんはいつまでたっても「内田有紀」「沢口靖子」「吉永小百合」と言いがちです。※年代別。

③おばさんはキャッキャする。
なんかキャッキャしてます。それも集団でキャッキャします。

①~③の特徴を見て気付きませんか?そう基本的に女子中高生の特徴と一致しています。

結局のところ年代にかかわらず、女性はそれほど変わりません。
女性の行動は「時間」と「お金」の余裕によって変化しているだけです。
※多少の厚かましさは年齢とともに出ますが、若くても厚かましい人はいますので、おばさんの特徴というほどのことではありません。

つまり「いつまで女子なのか?」という話でいえば「少なくとも精神的には女性はずっと女子」が正解です。
「いつからがおばさんか?」という話であれば「少なくとも精神的には女子中学生ぐらいからおばさん」が正解なのです。

私の知り合いにおばさんを自認していた女性がいるのですが、彼女はおばさんになってよかったこととして「もう恋愛をしなくてよくなったので、趣味の旅行に時間とお金が使える」とおっしゃてました。そして何年か後…彼女、旅先で知り合った人に恋をしていました。「時間」と「お金」の使い方だけで女性はずっと変わらないな…と思った出来事でした。

おじさんとして生きる⑩~おじさんにならなかったらどうなるの?

おじさんコースを選ばなかった人はどうなるのでしょうか?

まず、勘違いしないでください。別にお腹が出てなくても、金髪でも、ファッションに気を遣っていても、ロック聴いてても、パンクやってても、サーフィンやスノボをやってようが、おじさんにはなれます。もちろんアマチュア無線公営ギャンブル、ゴルフ、アユの友釣り、熱心なG党などのおじさんらしい趣味やこだわりでも同じです。おじさんというカテゴリーの中では趣味やこだわりの差など誤差の範囲内です。

むしろ趣味やこだわりがあった方がよりおじさんらしいおじさんですよね。
あなたの周りにもいっぱいいると思いますよ。筋トレおじさん、健康おじさん、金髪おじさん、ギャルソンおじさん、ロックおじさん、パンクおじさん、波乗りおじさん、雪山おじさん、ハムおじさん、競輪おじさん、ゴルフおじさん、ツリキチおじさん、巨人おじさん…etc 趣味(こだわり)+おじさんで呼ばれているおじさんたちが。それらのおじさんを頭に思い浮かべてください。良い意味で非常におじさんなのではないでしょうか?

自分の興味のあること以外には驚くほど興味を持たず、世間に迎合するわけでもなく、かといってものすごく怒っているわけでも批判するわけでもなく、いつ会っても同じ感じ…。独特のバイブスで周りにいる人たちにちょっかい出したり、笑わせたり、煙に巻いたりしている。
趣味の場で会うそれらのおじさんはいい意味で仕事をしている姿が想像できません。携帯で仕事の電話をしているのを何かの拍子に見ちゃって軽く引く…そんな感じ。つまりおじさんであることと容姿とか服装とか趣味とかは関係がありません。

では、おじさんにならないためにはどうすればいいのでしょうか?

おじさんにならないためには、おじさんであることを自ら全力で否定し、周りにもおじさんと思われないために、ダイエットする、積極的に流行をとり入れる、若者と話を会わせる、最新のビジネストピックに自分の仕事とはほとんど関係ないのに敏感になる…などの努力が必要です。

「知らんがな…」とか「興味ない」とか「そういうの、俺いいや」「ま、後は若い人で…」「肉より魚がいい」「帰って寝たい」「天下一品は体調よいときじゃないとキツイ」「うどんぐらいしか食べる気しない」「スムージー…不味い。青汁とどう違うの?」「ヘルシア緑茶なら飲んでるよ」「パンケーキって粉もんやないか。だったらお好み焼きがいい」「なんじゃこの甘いポップコーン…!」「『酒と泪と男と女』か『夢芝居』が歌いたい」「中村雅俊加藤剛みたいな顔に生まれ変わりたい」「バラエティー番組疲れる」などの発言が厳しく禁止されます。

その懸命の努力の挙句「なんかチャラチャラした中年」「若づくりの細い人」「なんか…年齢不詳で気持ち悪い」「いい年こいて、浮ついてる人」「まったく貫禄がない」「なんかキモイくない?」「若く見られたい下心が痛い」などと「だったらおじさんの方がよっぽどマシ」な称号をつけられるリスクも付きまとうのです。

クレヨンしんちゃん』でしんちゃんが美魔女怪人オバーンにこう言ってました。「もっと楽に生きていいんだぞ」…と。

おじさんになることを拒み、必死に抵抗する…そういう厳しい生き方もアリです。間違ってはいません。
でも、今の自分を受け入れた認めた結果、それが「おじさん」なのであれば「おじさん」になるのも決して悪いことではない…。私はそう思います。
そして、どうせ「おじさん」になるのであれば「良いおじさん」「カッコいいおじさん」になりたいのです。

おじさんとして生きる⑨~おじさんになるには?

おじさんについて書いてきたのに、もっとも肝心なおじさんになる方法について書いておりませんでした。
おじさんになるためには3つの条件があります。

①30歳以上。
②自分で「あ、おじさんだな」と自覚し、納得している。
③自分では「あ、おじさんだな」と自覚はしていないし、納得もしていないが、周囲の人間の10人中8人は恐らく本音では自分のことをおじさんだと思っている。

以上です。

まず①の年齢は絶対条件です。お酒は20歳になってから、おじさんは30歳になってから…です。ただ30歳でおじさんは早いですね。できれば35歳ぐらいからが望ましいです。

ゆっくり育つと木は強くなります。おじさんも同じです。若者の間にしっかりと反抗したり、無理したり、無駄したり、新しい趣味を始めたりしてください。ここで密度の濃い年輪を刻んでおかないとおじさんになってからの伸び代がなくなります。

②は様々なケースで自覚し、納得したと報告されています。代表的なところでは以下の通りです。

カウントダウンTVをたまたま観たらランキング入りしているほとんどの楽曲、歌手、グループのことを知らなかった。
・生ビールより瓶ビールを選ぶようになった。
・街の史跡を紹介する看板を読むようになった。
・散歩のとき、後ろに手を組む。
・気付くと買うスニーカーのメーカーが固定されておりサイズで悩まない。
・鮨屋でまずは刺身からつまんでいる。
・新幹線の中で珍味の乾きものを購入す。
・周りにおじさんがいると安心する。
・休日はキャップ型の帽子もいいな…と思い始めた。
ヘルシア緑茶を飲んでいる。
・MA-1を着ている若い女性をみると不思議な気持ちになる。
・友人のほとんどがおじさんだ。
・少年野球や少年サッカーチームのコーチをやっている人がうらやましい。
・ぼーとしてると自然とNHKを観ている。
・ジョギングに興味はないが箱根駅伝どころかニューイヤー駅伝も観ている。
・周りがおじさんだ。
・周りがおばさんだ。

「いくつ当てはまったらおじさん」とかのテストではありません。あくまでこういうケースで自覚した…という報告です。仮に全部当てはまっていたとしても、自覚と納得がない限りおじさんではありません。

③についてですが、さすがに周りの圧倒的多数がおじさんだと思っていたらおじさんです。
恐らくご本人も薄々は気付いていたのではないでしょうか?

①~③についてご理解いただけたでしょうか?
逆説的にいいますと、いくつになっても、おじさんではないと本人が主張し、周りもおじさんだと思っていなければおじさんではないのです。

「おじさんにならなくてもいいんですか!?」
そう思った方…正解です。おじさんにはならなくて全然いいんです。

ただ、おじさんコースでない人生を選ぶ…それはそれで過酷な道です。

おじさんとして生きる⑧~「おじさんはモテない」は真実か?おじさん慣性の法則

「おじさんはモテない」…このような印象からおしぼりで顔を拭かないなど、どうでもいい抵抗を試みている年代的にはおじさんな男性がいらっしゃいます。
自分がおじさんであることを認めることを頑なに拒むのは「おじさんはモテない」という固定観念からでしょう。
優しい女性の中にはおじさん側からおじさんであることを全面的に認めているにも関わらず「おじさんじゃないですよ!」と言ってくれたりします。あれも「おじさんはモテない」という発想からくる思いやりなのでしょう…。ありがとう。

本当に「おじさんはモテない」のでしょうか?
…難しい問題です。検証していきましょう。

おじさんは煩悩を捨て去り、最終解脱を成し遂げた存在なわけではないので「モテたいぜ」「ヤリたいぜ」というリビドーはあります。

ただ、おじさんになっていくに従い、リビドーの優先順位が下がっていきます。「モテたいぜ」ただそれだけのためには若いころはできていた無理ができなくなっていくのです。

評判のレストランにいく、ワインに興味ないけどワインバーにいく、意味もなく木更津にドライブなどができなくなります。無理をするぐらいならモテなくてもいい。誤解しないでください。おじさんも「モテたい」んです。でも、そのための無理ができないのです。

いつものように四文屋か藤八で瓶ビール飲みたい…。いつものように帰って野球みたい…。とにかく、いつものように過ごしたい。…それがおじさんです。おじさんこそレリゴーな…つまり「あるがまま」の存在なのです。これがおじさん慣性の法則です。つまりおじさんは慣れたこと、今までそうであったことしかしたがりません。

クラブ遊び(踊る方)が好きなおじさんも「いつものクラブでいつものように過ごす」ためにクラブにいきます。サーフィンが好きなおじさんも「いつものようにサーフィンにいく」のです。モテ系の趣味のあるおじさんも基本的には同じです。

無理できない…いつものように…つまりは相手に合わせれないということが「モテない」のであれば、おじさんは「モテない」でしょう。

しかし、世の中には『東京カレンダー』を定期購読しているおじさんもいます。

単に美味しいもの食べるのが趣味というおじさんは『東京カレンダー』は読んでません。『東京カレンダー』は女性を連れていくに相応しい気のきいた評判のレストランを紹介するための雑誌です。『東京カレンダー』を読んでいるおじさんは女性を評判のレストランに誘いたがっているのです。これは特殊なおじさん、イレギュラーな存在なのでしょうか?

いいえ、安心してください『東京カレンダー』を読んでいるのは「女性と評判のレストランにいくのが趣味」というおじさんです。
そういうおじさんにとっては「女性と評判のレストランにいく」のがいつものように過ごすことなので、おそらく翌週は違う女性と評判のレストランにいます。根本はおじさん慣性の法則に従って生きているのです。

試しに『東京カレンダー』を読んでる風のおじさんにデートに誘われた際に「ボウリングかゲーセンいきたい」と言ってみましょう。たぶん、そのおじさん嫌がります。いつものように過ごせないからです。

「おじさんはモテない」のか…それに白黒つけることは難しいですが、相手に合わせることができないので、万人にモテるおじさんはいない…が一応の結論です。

「モテる」を自負しているおじさんが頭の悪そうな女ばっかり連れているを不思議に思っていた方もいらっしゃると思いますが、それはつまりこういう理由だったのです。

おじさんとして生きる⑦~良いおじさんと悪いおじさん

残念ながら…すべてのおじさんが良いおじさんではありません。悪いおじさんも確実に存在しています。

良いおじさんと悪いおじさん。この二つのおじさんを別けているものは何か?

一番大きな要素が「機嫌」です。

良いおじさんは機嫌が良い…つまりご機嫌!悪いおじさんは機嫌が悪い…つまり不機嫌なのです。
この「機嫌」という要素に比べたらギャグのクオリティーや体型、服装といった容姿など誤差レベルです。

悪いおじさんをイメージしてください…。無意味な説教、理不尽な怒り…などの様子が目に浮かぶのではないでしょうか?
それらは機嫌が悪いことによってとられる行動です。

ご機嫌なおじさんを想像してください。

確かに寒いギャグを言うかもしれない、下ネタを言うかもしれない…でも「また言ってる笑」でそういうおじさんはスルーできますし、前歯がなくてもご機嫌なおじさんであれば「前歯ないけど陽気だね」となるわけです。ご機嫌なおじさんをそこまで嫌いになれないのが人情というものです。

つまりご機嫌な状態であることによっておじさんは良いおじさんになるのです。

良いおじさんでいるためには機嫌を良くする必要があるわけですが、機嫌とは基本的に環境…つまり場によって左右されます。

ここで悪いおじさんがとりがちな行動が場を自分の居心地のよいように変化させようと他人に働きかけることです。説教したり、怒ったり、ケンカしたりするわけです。この行動は100%失敗します。成功しているのを見たことありません。必ず場は最悪な雰囲気となり、気がつけば悪いおじさんが一人…となってしまいます。

ではどうすれば良いおじさんとなるべく、おじさんは居心地の良い環境に身を置き、機嫌を良く保てるのでしょうか?

これには2つの行動しかありません。

①機嫌が悪くなりそうな場にいかない。
②機嫌が悪くなりそうな場であれば帰る。

です。

家に遊びにくるといつもご機嫌でお小遣いをくれるおじさんなのに法事など大人数の親戚集まりには何かと理由をつけてこない、もしくは早々に帰ってしまうおじさんがいると思いますが、あれは義理の兄弟、もしくはおじさんの伯父と折り合いがよくないからです。自分がご機嫌でいられない場を察して回避する…これこそ良いおじさんが良いおじさんとして最高のパフォーマンスを保てる秘訣なのです。

悪いおじさんに対する対処法が知りたい?

これは難しい問題です。

悪いおじさんは当たり屋みたいな存在です。わざわざ自分でやってきて機嫌が悪くなっていく…最悪ですよね。
下手に機嫌をとると長いをされることもありますので「はあ…」「まあ…」などの生返事を繰り返して早々に帰っていただく、もしくいは寝たフリで、場を終わらせるのがベターな方法でしょう。後は野良犬に噛まれたと思って早く忘れるしかありません。